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『ワインの値段』は、どう決まる?③質vs量。反比例が生む値段の差2017/08/22

「ワインの値段」というちょっと現実的なところに着目したコラムシリーズ第3回目。

メインテーマは、ワインの価格という話題になると特に疑問・ご質問の多い

『すごく高いワインと安いワイン、その値段の差は一体どこから来るの???』です。

 

前回は、ワインの原材料について一つ一つをピックアップし、

ワインの包装容器である瓶やラベル、コルクなどはそれほど大きな価格差を生む要因にはならない、

というところで終わりました。

(前回コラムをまだお読みいただいていない方はまずこちらから⇒ http://firadis.net/page/281 ) 

 

・・・では、結局ワインの値段の違いって、どこから生まれるのでしょうか???

 

簡単に結論から言ってしまうと、タイトルの通り。

「質のために量を犠牲にしているワインほど価格が高くなる、その逆も然り」ということです。

 

馬鹿の一つ覚えで恐縮ですが・・・今回も『ロマネ・コンティ』を例にしましょうか。

このワインは、『ロマネ・コンティ』という名前の付けられた1.8haの畑から収穫されたブドウで造られます。

*畑の「名前」という概念はちょっと特殊ですが、考え方としては「○○さんの畑」みたいなものです。

 これについてはまた別の機会に!

 

1ヘクタールは100m×100m、

ロマネ・コンティの畑は正方形ではありませんが、四方に直せば134 m×134mの畑、ということになります。

(サッカーのフィールドが70~90m×100~120mですので、それよりちょっと広いくらいのイメージです)

その生産本数は年平均で約6,000本、少ないヴィンテージで4,000本程度、多い年で7,000本程度です。

つまり、1haあたり3,300本程のワインを産み出しています。

 

一方で、店頭で1,000円を切るような普段飲み用のテーブルワインなどの場合。

同じ100m 四方の畑から、15,000~20,000本程度のワインを造れるくらいブドウを収穫することもあります。

ロマネ・コンティと比較したら、その収穫量の差は約5-6倍といったところでしょうか。

同じ広さの畑なのに、実際のワインの生産量になるとこれだけの差が生じるのは、何故だと思いますか?

 

 

面積当たりのブドウの収穫量は、基本的には2通りのやり方で調整されます。

①区画内のブドウの樹の本数を多くする/少なくする 

②1本の樹から収穫するブドウの房数・粒数を多くする/少なくする

 

区画内のブドウの本数で調整するというのは、実にシンプルです。

ギチギチに詰めて出来るだけ多くのブドウ樹を植えることもできますし、

畝(うね)を広く取り、ブドウ樹同士の間隔もゆとりを持たせて植えることだって出来ます。

どこのワイナリーでも、ホームページで大体畑の画像が見られるので、色々見て比べてみると良いですよ。

 

そして、1本の樹から収穫出来るブドウの房数/粒数。

果物でも野菜でも、基本的には1本の樹から獲れる実の数が少ない程その凝縮度は増すものです。

1本の樹が地中から吸収出来る栄養素・ミネラルの量には限りがありますから、

それを少ない実に集中させた方が、より質の高い果実が収穫できるはずですよね。

まだ果実が緑色の段階で、最も良さそうな房をいくつか選んで他の房は切り落として捨ててしまう、

「グリーンハーベスト」と呼ばれるこの作業をするのには、そんな目的があります。

 

こうして、同じ広さの畑を持っていながら、造れるワインの本数には5倍も6倍も開きが出る。

それなら少なく獲っている方の値段が高くなるだろうな、ということは納得戴けるかと思います。

造り手側なら、自分が持っている畑から

「出来るだけ質の良いワインを、出来るだけ多く造りたい」と考えるのが当然ですよね。

 

質と量、2つの要素のバランスを決めるのが、

生産者それぞれのワインに対する考え方であり、そのワインの「位置付け」だと思います。

この2つの要素はいつも反比例の関係。

質を取れば量が減りますし、量を取れば質の高いものはなかなか生まれません。

だから、多くの人に毎日飲んでもらえるような、安くておいしいワインを造りたい、と思ったら、

許容できるクオリティ・手頃な価格の出せるギリギリで収穫量を決める。

常に質と量のせめぎ合いのなかで、生産者たちは試行錯誤をしています。

 

そして・・・この、収穫量:価格が反比例する「比率」については、決して一定ではありません。

どこの造り手、どこの畑でも共通の比率で推移するということではないのです。

もしそうだったら、ロマネ・コンティも5,000~6,000円くらいで買えるはずですもんね。

市場価格が軽く100万円を超える価格が付くことに、説明がつきません。

では一体どうしてこんな途方も無い価格が付いてしまうのか・・・・?

 

次回のコラムでは、

この「質vs量」の価格反比例に更に加わる要素、について書き加えたいと思います。

最終的にはそれがワインの価格差を決める最も大きな要因なんですよね。

次回の更新まで、今しばらくお待ちください!!

 

Firadis WINE CLUB 店長 五十嵐 祐介