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ワイン輸送を徹底解剖!第①回2017/09/02

 

今回からのシリーズは、ワインの輸送について。

フランス、イタリアなどの生産地で造られたワインが、どんな旅をして日本にやってくるのか。

その旅の途中でどんなお金がかかって、ワインの販売価格にはどんな値段が乗っかっているのか、

というところを解明していこうと思います。

併せて「ワイン物流における重要なポイント」という大切なテーマにも触れていきたいと思っています。

 

それでは最初に問題です。

今日7月18日火曜日、ある欧州のワイナリーにワインの注文を入れたとします。

そのワインが日本に辿り着いて、皆さまのご自宅に届けられるようになるのに、

どのくらいの日数がかかるでしょうか??次の5つから、答えを選んでみてください。

 

答①:1週間以内

答②:2週間くらい

答③:1ヶ月くらい

答④:3ヶ月くらい

答⑤:それ以上

 

ご自身の回答、選ばれましたでしょうか??

それではここで正解を発表します・・・・と、言いたいところなのですが、

実は答えは「どれもあり得る」。

①のときもあれば、⑤のときもある、というのが正解です。

 

ワインの輸送手段については、

一般的に「繊細な生モノ」的なイメージがあることや、

毎年のボージョレ・ヌーボーの到着時に飛行機の到着シーンを報道されることが多いためか、

「航空便で運ばれている」と思っている方が非常に多いようです。

ですが、実はワインの90%以上は時間を要する「船便」で運ばれています。

 

年間を通じて店頭に出回っているワインの大部分はコンテナ船による海上輸送。

ワイナリーを出てから我々フィラディスのような輸入商社から皆さまの下に発送できるようになるまで、

トータルでは3~4カ月という非常に長い時間を要しているのが実際のところです。

 

この船便による海上輸送の所要日数、

現代の物流システムの発展を考えれば、徐々に短くなっている・・・と思いますよね?

でも全くその逆。実は年々日数が長くかかるようになっています。

10年ほど前までは欧州~日本の船便は28日(4週間)程度、

1カ月もかからずに欧州から日本に到着していました。

しかしアジア諸国の経済発展に伴う輸出取引量増大によって「アジア各国への寄り道」が増え、

シンガポールで数日停泊、つぎは香港・・・といった具合に、

あちこちの港で積み下ろしがあって、最後に辿り着くのが極東の日本。

ワインは今や1カ月半~2カ月以上も海の上で揺られ、やっと日本に到着する、という状況です。

 

ちなみに上の問題の答①は、航空便、それも最もコストの高い国際宅配便(FedExなどです)で手配をした時の、

しかも運よく最短の期間で届いた時の所要日数です。

ボージョレ・ヌーボー等の通常の航空便輸送が、ワインの準備期間を含めると大体2週間~1カ月くらい。

11月第3木曜日の解禁日に間に合わせるため、収穫~仕込み~瓶詰めしてから最短で運ばれています。

かつてはこの時期、大量のボージョレ・ヌーボーを日本に運ぶために航空貨物のスペースが奪い合いになり、

運賃が普段の3倍・4倍と跳ね上がったりもしたものでした。

このコラムで毎年11月頃に書いているように、

「ボージョレは、高~い航空運賃を飲んでいるようなもの」なんですよね。。。

 

欧州や南米から日本までの距離は、1万kmを越えています。

生産者たちが丹精込めて造った大切なワインたちは、僕たちにおいしく飲まれるために、

3ヶ月もかけて1万kmを旅してきます。

その間様々な環境下に置かれる可能性がありますから、

当然のように輸送上の工夫・配慮が必要になりますし、当然そこには色々なお金も発生してきます。

ワイナリーにトラックでワインを引き取りに行って、港で船に積み込み、船旅をして、

日本に着いたら港からワインセラーへ、そして皆さまのもとへ・・。

 

次回コラムでは、ワインが故郷を離れて日本に到着するまでにどんな旅をしてくるのか、を解明。

そこかしこで発生してくる、ワインの旅費もろもろについてもお話させて戴きます。

ワインの旅路に想いを馳せながらグラスを傾ければ、

いつものお気に入りワインがもっと愛おしくなるかもしれませんよ(^u^)